
日々進化していくネイルサロン 青山
M先生は、醜形恐怖症の患者をたくさん診ておられるが、醜形恐怖症を持つ患者さんたちの美意識は非常に高いことが多い、とおっしゃる。
これまで、日本の医療に「美」の要素が取り入れられることは、非常に稀なことだったと思う。
醜形恐怖症に悩む患者が精神科に通った場合でも、その人の美意識の高さまでは配慮はされなかったと思う。
だから、患者もなかなか心を開かず、醜形恐怖症のカウンセリングが難しかったと言われているのだろう。
ところが、メイクをすることで比較的すんなりと、悩みを話しだしてくれることが多いのだ。
また、顔や体にできた障害が原因で精神を病んだ患者さんに対してリハビリメイクを施すと、顔つきや態度、話し方まで大きく変わることが多い。
特に、患者が気にしている部分をメイクでカバーできることが分かると、その変化は劇的で、誰もがビックリする。
この状態で精神科医のカウンセリングが入ると、固く閉ざされていた心の扉が開きやすいようだ。
ここではっきりさせておきたいのだが、リハビリメイクは治療方法でもなければ、薬でもない。
専門医と連携することで、何らかの作用を作りだす手段なのだ。
リハビリメイクをすれば、心の病が治るものではない。
もう一つ、従来のカモフラージュメイクとは違うことだ。
これまで、顔に傷があれば、傷を隠すことばかりを考えてきたが、「隠す」ということは実はとても辛いことなのだ。
私自身の経験で言えば、冬になると赤くなる顔を化粧で隠していた時期があった。
「化粧する時間が長いね」とか「顔、真っ白だよ」と友達から言われた。
でも、顔が赤いよりは、化粧をして隠せている方がよかったのだ。
だから、一生懸命に化粧をして、赤い顔の自分を隠していた。
しかし、人生の経験を積んでいくうちに、化粧をしていない本当の自分の顔に対して、何か言いようのない不安を感じるようになってきたのだ。
赤い顔を隠したいばかりに、旅行に行っても人より一時間は早起きして化粧をする自分、温泉に入っても化粧を落とさない自分、そういう自分の顔に不安になることがあった。
つまり、化粧をすることで、逆に自分の顔は赤いのだ、ということをいつも意識させられてきたわけだ。
化粧で隠すことによって常に意識していなくてはならないという、新たな不安材料をつくってしまっていたのである。
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